結界が生きている廃神社を見つけたので行ってみた【神社仏閣探訪】
ここは、鳥居をくぐった際には廃神社だとは気が付いていなかった。
何故か?と言われたら、結界が生きていたからだろうと思う。
廃神社となって魔が入り込んで別の場となっている神社もあるが、そうではない場所もある。
こういう場所に出会うと、なんとなく嬉しくなる。
このまま遺跡となって未来人に見つかるまで残れば良いのに。
基礎だけ残る本殿。ここには神の気配は無かった。
が、なんとなく、この本殿があったであろう場所は律儀に避けて通ってしまうのは何故だろう。
奥にある木が大きく揺れて私を呼んだので、何か御用でしょうかと近寄ってみた。
その木の根元にはとても小さな祠があった。
特に用と言うわけではなくて、目に入らない場所だったものだから気が付いて欲しかったようだ。
八百万の神たちがこの場には居て、場は乱れていない。
廃神社となった事に対する悲しみも感じられない。
寧ろ自然と同化していく事を望んでいるような、そんな雰囲気だった。
「また、近くに来たら寄ってみるよ。」
そう告げて帰ろうと車を停めた場所まで歩いていた。
すると小さなお寺の前で狸が待ち構えていた。こちらを見てずっと座っている。
「ここも寄って行かれぬか」
そう言われている気がして寄り道をした。小さなお寺であったが地元の方々に大事にされているようだった。
このオチもなにもない、廃神社探訪記。場所は伏せるが良い場所があれば紹介できればと思っている。