お祓い専門の人の「まじオカルトだったわ」発言と、人の思い込みの怖さ。【霊能者が見るセカイ】
目次
お祓い専門の能力者さん
お祓い専門の能力者さんと会って話していた。
この人はお祓いと言っても、ちゃんと憑いている人や動物を上へ上げる事が出来る貴重な能力者だ。
この人のスタイルが私はとても好きで、お祓いを始めた時に観音様のようなものが現れ、金色に輝く光に包まれる光景を見たくてたまにお祓い現場にお邪魔している。
この金色の光に包み込んで上へ上げる作業をする訳だが、それまでの行程も、憑いているものの意見(聞ける状態であれば)も聞くのでそれもまた好きな所である。
静かに始まり静かに終わるこのお祓い。
しかし、始める前と終わりでは依頼者の顔色も顔つきも変わる。
そうして、「カラダが軽くなりました」「ココロがスッキリしました」と笑顔で帰って行くのを見るのが、私は好きだった。
・・・そう、この人のお祓いは「静か」なのである。
大声で念仏を唱えたり、何か道具を振り回す事もない。
それなのに、「お祓い」という固定概念に取りつかれた依頼者がたまにいる。
テレビの影響で、「お祓い」というのは大勢で念仏を唱えたり、喝!とかヤア!とか出ていけ!!とかアレコレ大騒ぎするものでないと「いけない」と思い込んでいる人だ。
「お祓いはこうでないといけない」と思い込んでいるお客様
「この前さあ」
その能力者さんがふと話し出した。
「お祓いはこうでないといけないと思い込んでいる人が来たんだよね」
「私がさあ、いつも通りにお祓い始めたら、なんか突然床を転げまわってさあ、苦しい!とか出て行きたくない!とか叫ぶわけよ」
「いや、ドン引きしたんだけど、お祓い止められないし、続けたよね・・・。」
私は爆笑していた。
転げ回っているその依頼者についてではなく、ドン引きしているその能力者さんの表情を想像しての爆笑だ。
ひきつった顔を必死で隠して無表情でお祓いを続けるって、もう爆笑案件でしかないだろう。
その依頼者さんは、「終わりました」の一言でピタッと転げ回るのをやめたそうだ。
いやあ、思い込みの力ってすごい。
「まじオカルトだったわ。」
「それでさあ、いやあ、すごい悪霊でしたね、とか言うわけよ。いや、大したの憑いてなかったし」
そうして、その能力者さんは真顔で呟いた。
「・・・いやあ、すごかったわ。まじオカルトだったわ」
能力者というオカルトどっぷりの世界に居るアンタがそれ言うか!!!
私はひいひい言う程爆笑して、別の意味で転げ回った。
能力者は、自分がオカルトの世界どっぷりである事を自覚していない事が多い。
なぜなら、彼らにとってそれが日常だからだ。
私もその一人であると自覚している。
がしかし、他人が言うと思わず突っ込んでしまう。
「能力者というオカルトどっぷりの世界に居るアンタがそれ言うか!!!」という話はまだあるので、またの機会に書いていこうと思う。