【ご相談事例】悪徳霊感商法に騙されかつ、継続しないと不幸になると脅された、という方からのご依頼
霊感商法をやるなら最後までやりきったら良かったのに。
そう思うような相談が我々の所に入ってきた。
うちはよろず相談処を名乗っているものだから、こういった相談も多い。
今回は、「繰り返しの施術を暗に強制されるが、断ったらどうなるのか」という相談だった。
なんでも、申し込むと、まず「魂のレベル」というものを測定されるらしい。
まあ、100%、「魂のレベルが低いからすぐに施術を」という話になるらしいのだが、
その数値を聞いた時に「ドラゴンボールのスカウターじゃん」と心の中で爆笑しつつ話を聞いていた。
それってね、「脅し」っていうんだよ。
だってあなた、絶対にプラスの数値なんて出さないじゃん。
しかもね、数字が大げさすぎるんだよ。
「今までで一番悪い人でマイナス100でしたが、あなたはマイナス6000です」ってさ、
スカウターぶっ壊れるじゃん。
脳内がオタクで出来ているもんだから、私にとっては爆笑モノだったんだが、
すがるようにその人に依頼した人にとってはショッキングだよね。
そりゃあ「お願いします、なんとかしてください」って言っちゃうよね。
で、「一度に大きく修正をすると、魂に影響が出るので何回かに分けて施術を」という事らしい。
エステの脱毛コースかよ。
つまり?その、最低ラインのマイナス100まで戻すとして、一回にどれぐらい戻すのかは知らないけれども、
最低でも20~30回は想定してるよね?それ。
で、追加メニューも提案してくるらしいから、それって一人あたり幾らぼったくろうとしてるの?
その方は、頑張って断ろうとしたらしいんだよ。
そうしたら、お金を取っておきながら、「それなら施術前の状態に戻します」っていうんだってさ。
いや、お金取ったならその分はちゃんと仕事しなよ。
それで、暗に脅してくるんだってさ。
「あなたが今まで関わった霊能者は全部偽物。私はもっと高次元の存在から正しいメッセージを受け取り、協力体制にある」って。
なんでも、宇宙レベルじゃない存在らしいんだよね。
で、そもそも高次元って何次元なの?
で、あなたは何次元にいるの?
私は「高次元」という安直な言葉が大嫌いなもんで、序盤から随分と苛立っていた。
高次元=高位な存在という認識を勝手に作るなよ。
まったくもって高次元ビジネスは意味がわからない。
この「高次元」というワードのお陰で、高次元マウンティングまで発生しているし、
高次元=偉い、でもないんだけどなんでこうなるのか。
その人は私なんかよりとてもキレイな言葉を並べて、
「いかに自分が高位であるか」「自分がいかにすごい存在であるか」を延々と語るらしいのだが、
それに疑問を呈すると、一転、そのキレイな言葉遣いのまま、その方を罵りはじめたらしい。
「私のような素晴らしい存在の言う事が理解できないのであれば、元の状態に戻します」
「その元の状態に戻ったあなたの未来を保証しない」ってね。
その方は「元の状態と言われても、元の状態が分からないのだから、悪くされたら怖い」って思ったらしい。
そりゃあそうだよね。何されるかわからないって思っちゃうよね。
それもね、「脅し」っていうんだよ。
暗に、「あなたは私に逆らったら今後の人生真っ暗です」って言ってるんじゃん。
何も分からない人は、怖いから断れないよね。
でもさ、あなた、神すら力を貸して欲しいと願うような存在と繋がっているらしいじゃん。
じゃあ聞くけど、なんでそんなに高位なあなたは、
その人に断られて罵るなんていう行為をしたの?
そうして最後に、なんで長文の罵りのメールをその人に送りつけたの?
完全に、俗世的な感情に支配されてるじゃん。
そんな俗世的なあなたに、なんで神すら力を貸して欲しいと願うような存在が力を貸すの?
そういう存在が一番嫌うのが、そういった俗世的な感情であり、
間違ってもそんなヒステリックな言動をするあなたに力を貸すわけがないと思うけどね。
あ、もしかして、高次元に見せかけた低次元な何かと契約しちゃった感じ?
善良に活動をしている新興宗教もあるし、
善良に活動している霊能者やスピリチュアル界隈の方はたくさんいる。
そういう方々をこき下ろし、また、恐怖を煽り、「私だけを信じなさい」というのは、
よろしくない宗教の勧誘や教祖の言葉と同じであり、私にはどうにも理解しがたいのだが。
それからね、霊感商法をやるなら最後まで高位の存在らしく振る舞う事だね。
途中で感情的になったら、その霊感商法なんて大失敗だよね。
あーあ、つまんないの。
「ただの安い霊感商法」じゃん。
その手口で、どれだけの人を騙してきたの?
この方はたまたま冷静だったけど、もっとすがる思いの人もいただろうし、
断りきれなかった人もたくさん居たんだろうね。
・・・なんて事をその方にお伝えしたら、安心して帰って行かれた。
その後、だいぶ冷静さを欠いた自分を恥じて、その方にお詫びのメールを送っておいた。
こういう事案があるから、この業界は常に「胡散臭い」という言葉を浴びせられるんだ。
いまだにアップデートされない、この業界に対する偏見を増長させるのも、また同業者である。
そんな事を実感した今回の相談だった。