巫-kannagi- 霊能者かんなぎのよろず相談処

手を焼くにもほどがある。ナマケモノの見習い能力者を預かった話【霊能者の日常】

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天元という預かりモノ

 

天元という名を持つ、私のところでふとしたことから修行することになった能力者がいる。

 

 

本人曰く「自覚はあまりない」らしい。

なのであまり「能力者」と呼ばないで欲しい、との要望だった。

 

 

なので私はいつも優しさをもって「能力者のくせに」と言う事にしている。

そうすると天元は私を鬼畜だなんだと罵るのだが、私は優しさを持って対応をしているのに誠に酷い話だ。

 

 

ただ私が知る天元というのは、持っている力はあるのにそれを上回るナマケモノである。

ナマケモノが憑いているというよりはナマケモノの化身かと思う程にだ。

 

コイツが弟子になるという事はかなり手を焼く事なぞ容易に想像できた。

ハッキリ言って面倒だ。

まだまだ修行中であるが、私はすでに何度も天元を放り出そうとしている。

 

もっと言えば今も放り出してやりたい気持ちでこれを書いている。

 

 

 

天元への宣告

 

実は天元とは長い付き合いであるが、天元に「お前は能力者だ」と宣告したのはつい一年半ほど前の話だ。

 

 

あの時の天元は非常に面白かった。

異世界ファンタジーや能力者系漫画が大好きな天元の事だから喜んでもらえるだろうと思って、私は「後でお前にプレゼントがある」と少々笑みをたたえながら告げた。

あの時の天元は、本気でプレゼント(食べ物)が貰えると思い本当に楽しみにしていたらしい。アホか。

 

 

「さっき言っていたプレゼントの話って何だ?」とワクワク感を隠しきれない天元に、私は更にとても優しい笑みをたたえながら伝えたんだ。

 

もちろん心底喜んで貰えるかと思っていた。

 

「お前は能力者だ。」

 

その瞬間から天元は激しく動揺した。

言葉が出てこないようで「え?」としか言わなくなった。

そんなに嬉しいのか、と私も嬉しくなった。

 

 

しかし、その時の天元は、私の気持ちとは裏腹に、食べ物のプレゼントではなかった事、そして想像もしていなかった言葉に動悸が止まらなくて死にそうになっていたらしい。

いや、異世界ファンタジーや能力者系漫画が大好きなんだから、その世界にリアルに入り込めるなんて幸せでしかないと思っていたのだが…。

 

 

それにしても、だ。

 

突然他人事として楽しんでいた世界が自分事となり、そしてその世界が天元を覆いつくすように飲み込んでいくその光景は、まさに闇に呑まれる人の絶望感が見事に再現されていた。

 

その光景を、私は優しい笑みをたたえながら見ていた。人というものは、想像の世界が現実になるとこんな風になるのだな、と。

 

まさに「ようこそこちら側へ」だ。

 

 

天元への宣告その後

 

 

この天元とは20年程の付き合いであるが、能力者として話をしたのはここ数年もない程度だ。

それまでは普通の付き合いをしていたのだが、今更隠す必要も無くなったのでだんだんと頻度を上げていった。

 

 

当初の天元は「クリスタルドラゴンの世界だ」とか色々言いながら喜んで聞いていたのだが、私の中では「コイツも能力者だ」という確信があった。

なのでジワジワと「お前もそうなのではないか?」と話題を振ってみたのだが、「何をおっしゃいますやら」という返事ばかりで埒が明かなかった。

そもそもそんなに気が長くない私にしては随分と機会を待っての前回の「能力者宣言」である。

 

 

「お前の好きな漫画の世界の住人になれたんだ。嬉しいだろう」と聞くと、棒読みで「ソウデスネ」と返ってくる。妄想の世界が現実となったのになんという奴だ。

天元はそういう漫画が好きな割には色々と無知だった。

 

神社仏閣についてはとことん無知で、めったに足を運ぶ事もないような人種だった。

いや、今でも頻度としては少々上がったが、趣味で神社仏閣へ通う人の足元にも及ばない。

 

神社の写真を送ったら「赤い神社なんてあるんだ」。

海神の神社の写真を送ったら「海神だから青いかと思ったら違った」

という頭の痛くなる返答をされる事ばかりだった。

私は「何故、神はこの者を私のところへ送りつけたのか」と何度も天を仰ぎ、天に向かって何度も苦情を申し上げた。

 

 

心底素直に驚き、感動し、喜ぶ天元を温かい目で見守れる人ならば良かったのだろうが、そもそも私は教育は向いていないのだ。

 

「お前は何を言っているんだ」

 

私は無表情で返すばかりだ。

 

 

ただ、なにかしらの理由があって、神はきっと良かれと思って天元を私のところへ送りつけたのだろう。

が、それにしてもである。

例えば「偽りなく話せる相手が良いだろう」と思うのであれば、もう少し教育をしてから私のところへ送りつけてくれれば良かったんだ。

何故よりによってナマケモノの化身である天元を送り付けたのだ。

 

 

何度も言うが私は教育は向いていない。

「この後こうなるぞ」と思っていても、よほど危険でない限りは天元には後出しでしか伝えない事にしている。

何事も先に回避させるよりも体験する事が成長するためには必要だろうと考えているからだ。

 

 

それに、教えない方が私の楽しみが増える。

 

 

天元はよく「無知な自分だから良いのではないか」という発言をする。

いやそれは程度問題だ。もっと自ら学び、動き、体感しろ。子供の成長と同じで、いつまでも「無知だから許される」は通用しない。

現在の天元は「そろそろ無知だからでは許されない」段階に入っている。

きっと本人も薄々勘付いているだろうが私は教えるつもりもない。

 

 

その方が私の楽しみが増える。

この記事を書いた人

巫-kannagi-

【 代々続く霊能者家系の鑑定師 / メンタルアドバイザー】

ユタと稲荷双方の家系の混血であり、少々特殊な霊能者です。霊的相談、憑依鑑定、霊視鑑定、除霊、お祓い、オンライン鑑定と、多岐に渡って鑑定を行っております。
国内だけではなく、海外からも依頼を請ける霊能者でもあり、メンターでもあり、すでに9000人を超える鑑定実績があります。
ブログでは辛口で誤解されがちですが、鑑定では「見た目と違った」「腑に落ちた」「癒やされた」「楽しかった」とのお声をいただいております。沢山の鑑定迷子や、パワーストーン迷子の方の助けになればと思い活動しております。
「ただ、事象をお伝えするだけではなく、問題の解決に導く事」
見えない世界を現実離れしたものとせず、現実的視点を大事にし、実生活に落とし込む事を目標とさせていただいております。
活動理念は【霊能者をもっとラフにカジュアルに】

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