【福岡県】英彦山神宮の神事「英彦山御汐井採」の場、姥ヶ懐【神社仏閣探訪】
今回は、姥ヶ懐。
我々は誰かを怖がらせるために夜に訪れたわけではない事はご理解いただきたい。
單純に、時間がなかったんだ。
心霊写真なぞは撮れた事もないので安心して欲しい。
すまないが、とても綺麗な写真は他のサイトにたくさん掲載されているので、
日中の美ししい風景はそちらにて楽しんでくだされば、と思う。
沓尾海岸にあるここは、英彦山神宮の神事、「英彦山御汐井採」にあたり重要な場所となる。
「海幸山幸」伝説の豊玉姫「お乳岩」伝承地でもあり、
近隣には豊玉姫にゆかりがある、宇原神社や浮殿神社、龍日売神社、沖を見れば神ノ島等、
なかなに魅力的な場所がある。
車は数台は置けると思う。
ここからは徒歩だが、覚悟していたよりもあっさりと到着する。
日中はとてもワクワクするであろうトンネルも、
夜の写真だとこうなるわけで。
ちなみに大雨であった。
姥ヶ懐に行くにはこのトンネルをくぐる必要はないが、
トンネルと砂浜と海はとても綺麗なので、あえてくぐってみてもいいのではないだろうか。
高架になっているこの道沿いに、姥ヶ懐の入り口はある。
とはいえ勾配もないし、今までで一番楽だったのではないかと思うぐらいに、
多少は歩く覚悟をしていたのだが見事に予想を裏切られた。
そして少し歩けば到着。
奥行きはなく、中には岩の祭壇があり、盛り塩が置かれていた。
しゃがんで手を合わせている間だけは雨から守られた。
無音の空間がとても心地よい。
勅祭「松会」の際、英彦山からここへ来て禊をし、潮水を汲み、持ち帰り清めに使うという事が
平安時代から続いているらしく、いまだにこの行事が残っている事をとてもありがたく思う。
すぐそばを流れる川の名前も祓川、というからには、本当に長い間、禊祓のために存在していた場所だという事は一目瞭然である。
七大神社に山伏が集まり、そこからこの姥ヶ懐への道のりを移動したそうだが、
現代はさすがに車での移動になったようだ。
七大神社は、英彦山神宮への道中にある。
山伏たちが旧暦の1月26,27日に、40kmを超える道のりを歩いてお汐井採りをする
勅祭「松会」の前行として行われるこの「英彦山御汐井採」という行事は、
山の麓に暮らす人々に春を告げる、「春告神事」と呼ばれ、
旧暦2月15,16日に行われる勅祭「松会」をもって、
いよいよ春が来た、という事で田植え等を開始した、という歴史がある。
英彦山神宮とこの姥ヶ懐のルートはとても興味深いので、
できればすべてを追って掲載していきたいと思っている。
英彦山神宮である。
いつか、上宮まで行ってみたいものだ。
ボランティアの皆様が、砂をどけてくれたりと手入れをしてくれるお陰で
姥ヶ懐は今もこのように綺麗に保たれている。
是非、天気の良い日中に訪れてみて欲しい場所である。