ほんのちょっと魔が差した行動によって、神社の眷属に転ばされた人【霊能者が見るセカイ】
目次
転ばされる理由となった行動
ある人と神社へ行った。
同行してくれと言われたから同行したまでで、特に理由はなかった。
その人は参拝後におもむろに煙草に火をつけ、境内で吸い出した。
実はここまではまだ良い。粗相として神が怒るのはここではないのだ。
境内に喫煙所がある神社もあるし、なんなら煙草が好きな神もいる。
しかしその後、その人は何を思ったか歩きながらふとしゃがみ、参道に煙草を擦り付けて、消した。
すっ飛んできた眷属
「あーあ、やっちまった」心の中で呟いた。
後ろから神社を守護する眷属が飛び出してくる気配がする。
あーあ、お手柔らかに頼むよ。
私は、次に起こる事が予見できたので、「そんな粗相をすると、神にすっ転ばされるぞ」と笑みを浮かべて言った。
その次の瞬間、その人は見事にこけた。
何もない平坦な参道で、こけた。
本人は呆然としている。
「なんでこけたんだろう」
私は笑みを浮かべたまま言った。
「謝って来い」
その人は慌てて本殿へ戻り、平身低頭に謝罪をしていた。
私は背を向けて一人爆笑していた。
「お前ら、転ばす程度で済ますとは随分手加減したもんだな」と。
神のNGラインは神社のルールとは違う
その人には「この程度で済んだだけ有難いと思え」と伝えた。
本当にそうだ。足元を引っ掛ける程度のお仕置きで済んで良かったんだよ。
それに、怪我をしない程度で済んだのはもっと良かった。
境内で怪我をして血を流す事が実は一番の粗相なのだから。
生理の血はさして粗相に当たらない。
境内で新鮮な血を流す事は大変宜しくないのだ。
しかしこの方、普段は神社の境内でこんな事をするような方ではないのだが。
寧ろ神社仏閣が好きで、神を敬い、この神社にも仕事前や仕事帰りに足繁く通うような方である。
まさに「魔が差した」のだろう。
それを見抜いていたから、あの眷属も手加減したのかもしれない。
神のNGのラインはマニュアルの外にある。彼らもとても人間臭いのだ。