「はじめが聞く」夏の大祓・夏越の大祓って何?6月の晦日(末日)に行われる神社の行事。
BLOGコラム「はじめが聞く」★教えて巫センパイ神社仏閣基礎知識
弟子で祓い屋の一(はじめ)が、「みなさんから寄せられた質問」を巫に持っていってに答えてもらう、「はじめが聞く」のコーナーです。
今日のお題「夏の大祓・夏越の大祓って何?6月の晦日(末日)に行われる神社の行事。」
今回は番外編、「夏の大祓・夏越の大祓って何?」です。
6月の晦日(末日)行われる神社の行事だね。
僕、神社の手伝いで、ずっとその案内状の宛名書きしてた・・・。
お疲れ様でした笑 大事な行事の一つだからね、簡単に説明していくよ。
夏の大祓・夏越の大祓とは
夏の大祓・夏越の大祓・夏越の禊、呼び方は色々ですが、6月の晦日(末日)に行われる、この半年間の無事の感謝と、日々の生活の中でついた穢れや、犯した罪過ちを落とす儀式です。
夏越の大祓が6月、年越の大祓が12月。
半年に一回のこの行事、現状、ほとんどの神社では旧暦ではなく新暦で行っています。
6月に入ると、神社の鳥居や楼門のあたりに、「茅の輪」が立っているのに気がついた事はないでしょうか。
この茅の輪を見ると、いつも月日の経つ事の早さを実感するのですが、
この茅の輪をくぐる行事が、夏越の大祓です。
夏の大祓・夏越の大祓の作法
本来は人形(ひとがた)という人の形に切り取られた白紙に、身についた穢れをうつし、それから茅の輪くぐりをするのですが、
神社についたらまず茅の輪があるので、ついつい茅の輪くぐりが先になってしまうことが多いですね。
氏子であれば、郵送で人形が送られて来るので、家で穢れをうつしてから神社へ向かう事ができますが、
神社に参拝して、目の前に茅の輪があったらくぐりたくなるのが人の性。
それに、大祓当日の行事に参加できない諸事情もあったりもします。
そこは少々、神様に大目に見ていただきましょう・・・。
大祓詞を唱え、人形(人の形に切った白紙)などを用いて、身についた半年間の穢れを祓い、無病息災を祈るため、茅や藁を束ねた茅の輪を神前に立てて、これを三回くぐりながら「水無月の夏越の祓する人は千歳の命のぶというなり」と唱えます。また、十二月の大祓は年越の祓とも呼ばれ、新たな年を迎えるために心身を清める祓いです。
神社庁公式サイトより引用
【一般的な作法について】
神社によって少々違いがありますが、以下の通りです。
・大祓祝詞を奏上する
↓
・人形で体を撫で、最後に息を吹きかけます
その際に身体の良くないところを重点的に撫でます
↓
・茅や藁を束ねた茅の輪を神前に見立て、
八の字に三回くぐります
(左足から左回り・右足から右回り・左足から左回り)
↓
・その際に「祓へ給ひ 清め給へ 守り給ひ 幸へ給へ」と唱えながらくぐります。
その他、「水無月の なごしの祓 する人は ちとせの命 のぶといふなり」と唱えるところもあれば、
「蘇民将来」と唱えるところもあります。
↓
・人形をお祓いし清流に流す
↓
・直会(なおらい)で締める
大まかにこのような流れです。
いずれも私達の体を清めるための儀式で、これを行うことで罪や穢れを払います。
やってはいけないこと
・茅の輪の草を引き抜いたり、もしくはそれを持ち帰ること
茅の輪はくぐった人の罪穢れを吸い取っているので、人の罪穢れを持ち帰ることになるのでやめましょう。
せっかく穢れを祓ったのに、持ち帰っては意味がありません。
茅の輪くぐりの由来
茅の輪くぐりは日本神話に由来します。
牛頭天王(スサノオノミコト)が旅の途中に宿を求めた、
備後国の蘇民将来(そみんしょうらい)との逸話が起源です。
牛頭天王が嫁を貰うために旅に出ます。
貧しいにもかかわらず、喜んで牛頭天王をもてなした蘇民将来に対し、
弟である巨旦将来(たんしょうらい)は裕福にもかかわらず宿を貸しませんでした。
数年後、再び牛頭天王は蘇民将来のもとを訪れ、
「疫病を逃れるために、茅の輪を腰につけなさい」と教えました。
そうして、その教えを守った蘇民将来は難を逃れたことがはじまりです。
それ以来、無病息災を祈願するため、茅の輪を腰につけるようになりました。
そうして、江戸時代には現在のように茅の輪をくぐり抜けるものになったといわれています。
夏の大祓・夏越の大祓。
せっかくなので気持ちの切り替えにいかがでしょうか。
コロナ渦で行事を縮小したり中止するところが多い中、徐々に復活の傾向なのも嬉しいですね。
せっかくなので半年の罪穢れをいったん落として、気持ちよく下半期を過ごしたいですね。
そうだね、当日参加できなくても、前もって受付をしているところが多くなっているので、ぜひ申し込みをしてみては。